先日、横浜市小児科医会研修会に行ってきました。
前座として、髄膜炎菌ワクチンについて
講演①では、ポリオワクチンの5回目接種の必要性について
講演②では、子供の外陰部(おまた)の診察のしかたと病気について
勉強させていただきました。
結論から言いますと、
1.髄膜炎菌ワクチンは任意接種ですが、海外留学や寮生活等、集団生活が始まる2歳以上のお子さまはぜひ接種しましょう!(時間を見つけてまた詳しくブログに書こうと思っています。)
2.不活化ポリオワクチン5回目は任意接種ですが、4,5,6歳のお子さまはぜひ接種しましょう!!
3.お子さまの外陰部で気になることがあったら、気兼ねなくご相談ください!!
講演①講師は、青森県藤崎町でご開業されています、せきばクリニック院長の関場慶博先生(元国際ロータリー会長代理)でした。
関場先生はインドのポリオ撲滅をなされた先生で、知る人ぞ知るとても有名な方です。
行政に働きかけて、日本で一番最初に5回目の不活化ポリオワクチン、おたふくワクチンを町からの全額助成にされた方でもあります。
ポリオ感染症は急性灰白髄炎(きゅうせいかいはくずいえん)という病気で、発症すると体がマヒし、元に戻ることなく、最悪命を失ってしまう怖い病気です。5歳未満の子どもたちが多く発症したため小児マヒとも呼ばれます。特効薬はなく、子どもたちを病気から守るためにはワクチンしかありません。日本では1980年長野県で発症したのを最後に患者さんは出ていませんが、今年ラグビーのワールドカップ、来年はオリンピックと、海外から多くの観光客が来ると、日本では見なくなった感染症が再び多くなる可能性があり、その中にポリオウイルスも含まれている。実際に日本人の血液を調べると、ウイルスと戦う血液の中の抗体(抵抗力)が低下していて、中にはウイルスと戦えないほど低下している人がいることもわかっています。関場先生は就学前のMRやおたふくワクチンと一緒に不活化ポリオワクチンの5回目の接種が必要である。早く公費化が望まれる。と熱く語ってくださいました。日本小児科学会からも不活化ポリオワクチン追加接種を推奨するワクチンスケジュールが発表されています。「ポリオに対する抗体価が減衰する前に就学前の接種を推奨」。私もまったく同意見ですが、まだまだ5回目の不活化ポリオワクチンをご存知ない方も多く、こうしてブログに書いています。今はまだ自費のワクチンですが、ぜひ多くの子どもたちに接種してほしいと思っています。
2011年に投稿されたYouTube動画で、内容はやや古く、不活化ポリオワクチンがまだ日本で認定される前の動画ですが、関場先生の活動内容や、ポリオ、国際ロータリーについてテレビ大阪の特別番組が参考になると思いリンクしておきます。途中、気象情報の字幕と一緒に緊急音が流れてちょっとびっくりしますが。よかったら25分弱なので見てみてください。
YouTube 感染症ポリオ 残り1%の闘い(約25分)